鍼灸神髄
術者の「腕前」とは
例えば「肩の凝ってる場所」に対して「指圧」でもって効果がないのなら「「もっと強い指圧」かまたは「違う種類の強い刺激」なら効くんじゃない?」と考えるのが自然。
その強刺激のイメージの最たるものこそ「鍼灸」なんじゃないかな、とも思う。
実際鍼灸師でも「強い刺激なら硬い凝りが消せる」と考える人はかなりいる。
「太い鍼」とか「電気鍼」使う人ね。
でも実際はそんな簡単ではなくて「強い刺激」なんかじゃ凝りは取りのぞけない。
「鍼はなぜ効くのか~次元違いの効果」のページに説明したけど鍼灸治療とは「自ら病気を生む脳情報の消去」だ。
それを「弱っている内臓のツボ」からアプローチすることで行うのが鍼灸治療である。
つまり鍼灸師の腕とは「自ら病気を生む脳情報の消去」を消す能力である。
それはツボなり身体の知識なりも当然要求される能力なんだけど、一番重要なのは
「心が強い」こと、正確にいうのなら「その病気としての異常性の度合いを越えた経験があること」なのだ。
何を言ってるのかわからないだろうから説明させていただくと、
例えば患者さんが「癌」にかかってるとする。
当然患者さんの脳には「癌の情報」が固定的にある、ある種のマイナスの興奮状態で。
術者に、そのマイナスの興奮状態より酷いマイナスの興奮状態の経験があり、かつそれを克服経験があれば癌情報は消せる。
たとえば同じ病気を経験し治したとか、幼少から色々なことで苦労したとか、いじめにあったけど克服した経験があるとか、とにかく対象の患者さんより酷い世界を経験し克服した人間にしか脳にこびりついている病気を生む情報は消せない。
それが「鍼の腕前」なのだ。
まあ基本的に苦労無しには身につかない能力である。一部の天才を除いて……だけど。